2024年12月号特 集 令和6年能登半島地震の被害と教訓 総括編集 毛利 栄征 委員 |
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巻頭言 | 令和6年能登半島地震でも顕在化した地盤工学的課題 | 古関 潤一 |
総 説 | 令和6年能登半島地震(M7.6)の概要と発生メカニズム | 西村 卓也 |
総 説 | 能登半島地震による津波の発生と被害―今後の課題と教訓― | 今村 文彦 |
総 説 | 社会基盤施設の被害と教訓 | 安田 進 |
総 説 | 能登半島地震による土構造物の被害と教訓 | 渡邉 健治 |
総 説 | 建築基礎構造の被害の傾向と教訓 | 田村 修次 |
各 論 | 令和6年能登半島地震発生後初動期における土砂災害発生状況についての調査報告 | 田村 毅・水野 正樹 |
各 論 | 道路土工構造物の被害と教訓 | 宮武 裕昭 |
各 論 | 令和6年能登半島地震での道路橋の被害と教訓 | 西田 秀明 |
各 論 | 道路トンネルの被害と教訓 | 日下 敦・小泉 悠・藤田 智弘 |
各 論 | 上下水道の被害と教訓 | 三宮 武 |
各 論 | 港湾施設の被害と教訓 | 竹信 正寛・野津 厚・小濱 英司・鈴木高二朗 |
各 論 | 鉄道の被害と復旧 | 川上 耕平・清水 諒・野村 倫一 |
各 論 | 令和6年能登半島地震における免震建物の調査報告 | 久田 嘉章 |
各 論 | 輪島で生じた杭基礎建物の転倒に関する一考察 | 新井 洋 |
各 論 | 土構造物の耐震技術高度化に向けて―災害調査より得た知見― | 宮田 喜壽 |
各 論 | 宅地盛土の被害と教訓 | 橋本 隆雄 |
報 文 | 新潟県における地盤の液状化・側方流動による被害 | 豊田 浩史・中村 公一・高田 晋 |
報 文 | 富山県における地盤の液状化・側方流動による被害 | 兵動 太一・古谷 元 |
報 文 | 石川県における地盤の液状化・側方流動による被害と地盤・地下水特性 | 門田 浩一・山田惣一郎 |
報 文 | 令和6年能登半島地震時の北陸自動車道の被災と措置 | 佐野 良久 |
報 文 | 隆起した海岸を活用した被災地支援につながる緊急復旧道路の整備 | 小塚 大輔・西山 英雄 |
連 載 | 地盤のばらつき評価と設計・施工への展開 第9回 地盤物性値のばらつきとその影響評価―原子力発電所基礎地盤および周辺斜面の安定性― |
澤田 昌孝 |
連載企画 | けんせつ小町便り 第108回 | 佐川 祥子 |
〈編集趣旨〉
2024年1月1日,能登半島の北端部を震源とするM7.6の地震(令和6年能登半島地震)によって北陸4県(石川県,福井県,富山県,新潟県)にわたり深刻な被害が生じました。道路やライフライン,湾岸施設などの被災によって孤立する地域が多く,その被災状況の確認が進まず被災者まで適切な情報を伝達できない状況が続くなどの課題がクローズアップされました。半島という地理・地形的な影響のため,陸路と海路が断たれる複合的な災害によって,救助・復旧・支援の初動に多くの時間を要し,避難も困難を極めたことは大きな教訓といえます。一方で2007年の能登半島地震で復旧した施設が再度大きな地震を受けていますが,地盤の液状化対策や施設の耐震対策・補強などの効果が確認されるなど,適切な保全対策が地域の安全性に大きく貢献できることが示されました。
そこで本特集号では,今回の地震による被害の特徴とともに,調査や復旧から得られた新たな知見や教訓などの最新の情報とともに,地震対策の効果事例について紹介いたします。
本特集が防災対策の一助となれば幸いです。(毛利栄征)