2024年3月号特 集 振動を利用した地盤・基礎の調査技術 総括編集 片桐・岩﨑 各委員 |
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巻頭言 | 地盤振動計測の可能性 | 小長井一男 |
総 説 | 振動を活用する地盤調査技術の現状 | 相澤 隆生 |
総 説 | 建築分野における微動探査の現状と課題 | 新井 洋 |
各 論 | 微動アレイによる浅部構造探査システム | 長 郁夫 |
各 論 | 表面波を用いる探査法の原理とその応用 | 林 宏一 |
各 論 | 表面波を用いる探査手法の基礎地盤調査への活用事例 | 尾西 恭亮 |
各 論 | 微動アレイ探査の国際標準化 | 先名 重樹 |
報 文 | 3次元微動アレイ探査による支持層・基盤深度の推定 | 小西 千里 |
報 文 | 盛土造成地等を対象とした微動観測による地盤構造の推定事例 | 落合 努 |
報 文 | 常時微動測定による地盤特性の評価と水道施設への適用事例 | 馬場 啓輔 |
報 文 | 単点常時微動探査を用いた基盤深さ推定事例 | 萩原 由訓 |
報 文 | 常時微動観測による桟橋固有周期の推定 | 菅原 法城・竹信 正寛・野津 厚・長坂 陽介 |
報 文 | 常時微動による橋脚の固有振動数の推定精度向上に関する基礎検討 | 渡邉 諭 |
報 文 | 常時微動を活用した洗掘モニタリング装置の開発 | 足立 啓二・宮腰 寛之・木下 一孝・加藤 健二 |
報 文 | 常時微動計測データを活用した長周期地震動評価の事例 | 仲野 健一・川瀬 博・伊藤 恵理 |
報 文 | 表面波探査技術の地盤工学への適用―水際軟弱地盤を対象として― | 渡部 要一 |
報 文 | 水中表面波探査による海底地盤情報の可視化手法 | 江守 辰哉・上野 一彦 |
報 文 | せん断波速度を利用した高圧噴射撹拌工法による改良体径評価技術の開発 | 山田 卓・大島 昭彦・伊藤 竹史・原田 健二 |
報 文 | P波とマイクロバブルによる薬液の浸透注入状況の可視化の試み | 山下 航洋・堤 彩人・山本 敦・榊原 淳一 |
報 文 | 振動計測による省力化軌道直下の空洞探査に関する基礎的検討 | 池本 宏文・瀧野 千歳・澤田 亮 |
報 文 | 表面波探査を活用した既設盛土の強度評価法 | 佐藤 武斗・松丸 貴樹 |
報 文 | 振動特性を用いたトンネル切羽浮石検知技術 | 奥澤 康一・新村 亮・谷口 信博・倉橋 慎理・染川 智弘・橋間 智博 |
新工法紹介 | 天然土砂による埋戻し技術「BFS工法」/東京コンテック㈱ | |
連載企画 | けんせつ小町便り 第99回 | 岡野 三里 |
〈編集趣旨〉
振動を利用して地盤そのものや地盤に設置した基礎周辺の地盤の特性を把握する技術は,地盤内に生じている微小振動に着目し,それを計測して推測する技術と,人為的に地盤に振動を与えてその応答から求めていく技術に大別できます。これらの技術は古くから用いられてきましたが,近年の計測技術や解析技術の進展により,より精密で詳細な情報が得られるようになってきました。そのため,これまでには対象としていなかった非常に軟弱な海域の地盤にも広げられ,さらには,地盤に構築した構造物の特性やその構造物周辺の地盤状態の変化を把握する手法,地盤改良工事などの工事中に改良部が進展していく状況や完成後の出来形を確認する手法,地盤内に存在している浮石を推定する手法など,部分的な特性に特化したものも開発されています。このような技術の進展から,微動アレイ探査はISO24057として承認され,表面波探査もISO化する状況にあります。
そこで,本特集号は,基本的な技術の原理と現状や課題をとりまとめ,振動を利用する地盤調査技術をベースにして開発されてきた手法を紹介いたします。(片桐雅明,岩﨑公俊)