2023年10月号特 集 最近の鋼矢板工法 総括編集 小宅・菊池 両委員 |
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巻頭言 | 鋼矢板工法の開発と発展 | 岡原美知夫 |
総 説 | 鋼矢板製品の普及と利用技術の発展 | 妙中 真治・渋谷 隆 |
各 論 | 河川堤防における鋼矢板の活用-液状化対策と粘り強い河川堤防- | 石原 雅規 |
各 論 | 鋼矢板による既存岸壁改良時の地震応答解析における既設構造および施工過程モデル化の影響 | 小濱 英司 |
各 論 | 鉄道分野での鋼矢板の利用方法-既往の適用事例より- | 神田 政幸 |
各 論 | 地中および海中の鋼材腐食のメカニズムとその影響 | 審良 善和 |
各 論 | バイブロハンマ工法を用いた鋼矢板の施工原理と特徴 | 諸橋 洋平 |
各 論 | 圧入工法を用いた鋼矢板の施工の原理と特徴 | 石原 行博 |
報 文 | 鋼矢板工を用いた地震時河川堤防対策工-PFS工法の適用- | 大谷 順・笠間 清伸・中井健太郎 |
報 文 | 越水に対する粘り強い河川堤防を実現する鋼矢板構造の技術開発 | 持田 祐輔・藤澤 和謙・高橋 章浩 |
報 文 | 津波・高潮防護施設への櫛形鋼矢板壁工法の適用 | 菅野 高弘 |
報 文 | 鋼矢板によるため池堤体の耐震補強効果 | 原 忠・中山 裕章・棚谷南海彦 |
報 文 | 東北地方太平洋沖地震において津波被災履歴を受けた鋼矢板二重壁構造の調査報告 | 河野 謙治・乙志 和孝・西部 和生 |
報 文 | 鋼矢板二重式工法による堤防強化方法と施工事例 | 竹村 龍一 |
報 文 | 河川改修に伴う既存橋脚保全対策としてのシ-トパイル補強工法の適用 | 濱田 吉貞・大野 光紀・船谷 恵 |
報 文 | 河川分野で活躍する鋼矢板の本設構造物としての適用例 | 河野 謙治・笹 祐也 |
報 文 | 鋼矢板セクションの止水性向上-止水材の種類と特性- | 川端 秀雄・高橋 晃央 |
報 文 | 豪雨災害による浸水被害を抑止可能な鋼製遮水壁 | 荒木 優介・坂本 俊彦・及川 森 |
報 文 | 本仮設兼用の合成構造用鋼矢板による地下壁構築技術-「J-WALLⅡ工法」の適用- | 古荘伸一郎・笹 祐也・西口 正仁 |
報 文 | 近接条件での圧入工法による施工例 | 堀川 侑晟 |
報 文 | 低空頭バイブロハンマを用いた鋼矢板打設の施工事例 | 高橋 洋敬・森元 金作 |
報 文 | 横浜港新本牧地区における鋼板セル工法の施工事例 | 小泉 博之 |
報 文 | 空頭制限下における圧入工法の施工例 | 掛水 雅也 |
報 文 | 圧入工法における施工デ-タを利用した地盤情報と鉛直支持力の推定 | 石原 行博 |
報 文 | バイブロハンマの動的測定による地盤抵抗の算定評価 | 森 拓人 |
連載企画 | けんせつ小町便り 第94回 | 稲見 景 |
〈編集趣旨〉
鋼矢板工法は,仮土留め壁などの仮設構造物を築造する工法として広く普及してきました。最近では本設構造物の部材に鋼矢板を適用した地盤・基礎構造物が考案され施工されてきています。
鋼矢板工法の特徴を挙げると,資材となる鋼矢板は強靭性・高遮水性で多様な形状で大量に生産ができること,また施工面では多機能な施工技術を習得している施工者が全国各地に多数存在していることが挙げられます。最近では,新素材や新機能の鋼矢板が数多く製品化され,狭隘地や低空頭または大深度などに対応する施工技術が開発されています。さらに,このような鋼矢板工法の特徴を利用して,地震・豪雨・老朽化などで生じる構造物の性能低下を最小限に抑え,粘り強い本設構造物を築造する,効率的で迅速なインフラ整備が行われるようになってきました。
本特集号では,これらの状況を踏まえて,鋼矢板を用いた新しい基礎・地盤構造物の構造形式や新しい工法の原理などを解説するとともに,本工法を用いた多様な建設プロジェクト事例や高機能な施工技術を紹介します。