株式会社総合土木研究所

2020年6月号

特 集

近年の豪雨災害の特徴と対策

総括編集 横田・片桐 両委員

巻頭言 近年の豪雨パターンと土砂災害 沖村 孝
総説 地球温暖化と豪雨災害の未来 三隅 良平
総説 海外の豪雨災害の特徴と対策ー台湾の事例に関してー 安田 進
総説 最近の基礎構造物・土構造物の豪雨災害の特徴と対策 渡邉 健治
各論 河川堤防の被害の特徴と対策 佐々木哲也
各論 花崗岩・まさ土地帯における豪雨による土石流の起こり方とその対策 鈴木 素之・楮原 京子・松木 宏彰・阪口 和之・片岡 知
各論 近年の豪雨における道路土工区間の被災の特徴 渡邉 一弘・藤原 年生・宮下 千花
各論 ため池の豪雨被害の特徴とこれからの対策の考え方 毛利 栄征
各論 土砂災害に関する防災気象情報とその利活用 岸本 優輝
報文 最近の河川堤防被害と河川工学から見た特徴 二瓶 泰雄
報文 2017年台風21号による木津川基盤漏水の調査報告 文字 聖・田中 大樹
報文 2018年番匠川における出水被害と対策 首藤 美誠
報文 平成26年8月広島市豪雨土砂災害における応急対策工設置事例 望月 章彦
報文 平成30年4月大分県中津市耶馬溪町における無人化施工 中濃 耕司
報文 平成25年伊豆大島災害における自然斜面補強土工法による対策事例 岩佐 直人
報文 平成30年7月豪雨による鉄道盛土の崩壊と復旧 山田 孝弘・坂本 寛章・常田 賢一
報文 平成30年7月豪雨における高山本線の被災状況と復旧 宮下 優也・柳田 恭兵
報文 国道274号日勝峠の開通ー平成28年8月豪雨ー 水尾 隆・齋藤 浩志
報文 平成30年7月豪雨による市道沿い斜面の崩壊とグラウンドアンカーによる復旧対策工の設計 小松 晃二・中井 一彦・山光 孝昭
報文 広島呉道路における盛土崩壊災害と復旧 大江 伸司
報文 平成30年7月豪雨による高知自動車道立川橋災害状況および復旧(橋梁編) 平山 浩司
報文 平成30年7月豪雨による高知自動車道立川橋災害状況および復旧(のり面編) 堀田 晃弘
報文 一般国道220号磯脇橋の被災・復旧報告 谷口 廉宏・児玉 康司
報文 2018年7月豪雨における岡山・広島のため池災害 西村 伸一・柴田 俊文
報文 平成30年7月豪雨における広島県のため池被害の概要と復旧事例 野村 英雄・中村 博・河村 吉郎
報文 西日本豪雨(平成30年7月)の災害廃棄物/災害発生土と仮置場 大野 博之
報文 平成29年九州北部豪雨災害に対する東峰村の取組み 澁谷 博昭
報文 近年における豪雨災害と防災気象情報の利活用 和田幸一郎
連載企画 けんせつ小町便り 第54回 中村友紀恵
連載 第3回 地盤調査と施工の不確実性を考慮した基礎の部分係数設計法 七澤 利明・飯島 翔一
新刊紹介 今日からモノ知りシリーズトコトンやさしい地盤工学の本/日刊工業新聞社

〈編集趣旨〉

近年我が国は,「平成27年関東・東北豪雨」を始め,昨年の台風19号による災害など,ここのところ毎年豪雨地盤災害に見舞われています。特に「平成30年7月豪雨」は死者・行方不明者合わせて231名と,昭和57年長崎水害(299名)以来の大きな犠牲者を伴う災害でした。この災害では従来の土砂災害に加え,洪水氾濫等が広域的に発生したことなどが特徴として挙げられています。一方,気象庁は,今回の豪雨災害は地球温暖化に伴う水蒸気量の増加の寄与もあったと考えられるとの報告もありました。今後も地球温暖化は続くものと考えられ,進化する地盤災害に対峙するためには現状のハードとしての対策技術を整えることはもちろんですが,昨年から始まった避難警戒レベルの運用といったソフト対策も今後重要になってくると思います。
 本特集では,最近の地盤災害の実態を広く取り上げると同時に,各専門家から最近の研究成果や対策の動向,および今後の課題などについて紹介いただきました。本特集が今後の技術の発展につながれば幸いです。

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