株式会社総合土木研究所

2012年12月号

特 集

2011 東日本大震災の教訓と復旧-建築物と産業施設-

総括編集 長尾・井上・岩崎 委員

巻頭言 市民レベルの震災復興に見る課題 東畑 郁生
総説 建築基礎構造の被害と耐震設計 中井 正一
各論 観測記録による鋼構造耐震・制振超高層建物の応答評価 北村 春幸・須賀 貴之
各論 東日本大震災における液状化被害と今後の対策 時松 孝次
各論 宅地の被災状況と復旧工法 松下 克也・森 友宏・風間 基樹・佐藤 真吾
各論 下水道施設の被害状況とその対策 横田 敏宏
各論 津波による建築物の被害と対策 杉村 義広
各論 津波避難ビルの構造設計法 福山 洋
各論 都市ガス施設の被害状況および緊急・復旧対応の状況と地震対策の取組みについて 柴田 大輔
各論 電力流通設備(送配変電設備)の被害と対策 佐藤 清隆・朱牟田善治・石川 智巳
各論 屋外タンク貯蔵所関連施設の被害概要と対策 田中 智宏・赤塚淳一郎・三根 徳男
報文 建築物における締固め工法による液状化対策効果の検証 原田 健二・大林 淳・吉富 宏紀
報文 グラベルドレーン工法・静的締固め工法による液状化防止事例 楠見 正人・加藤 満・田村 和広・田中 幸芳
報文 仙台市ガス局港工場ガス製造工場の復旧工事 牧野 実・小池 正高・花牟礼雅一・山下 博文
報文 震災復興につなげる超短期間で本設橋梁を構築-JX日鉱日石エネルギー 仙台製油所サンブリッジ- 松下 健二・橋木 淳一・中田 成俊・伊奈 義直
報文 東京地下鉄深川技術区内建築物の被災状況と復旧のための被害調査 荒木 浩・高木 晃二・佐々木徹
報文 釜石製鐵所港湾設備の被災状況と復旧 清崎 弘二・伊勢 典央・角 隆嗣・沢田 昇
報文 集合住宅の杭被害(調査と復旧) 小林 治男
報文 津波による転倒・流失した建物の調査 杉村 義広・三辻 和弥
報文 免震建物の地震観測記録およびその地震応答特性 中西 力・酒井 和成・古澤 健
報文 屋外タンク貯蔵所関連設備の被災状況と復旧事例 千野 和彦・佐藤 諭・山本 平
報文 建築物の津波被害 奥田 泰雄
報文 強い地震動を受けたパイルド・ラフト基礎の沈下挙動 山下 清・橋場 敏雄・伊藤 栄俊
報文 液状化地盤における格子状地盤改良を併用したパイルド・ラフト基礎の挙動 内田 明彦・小田島暢之・山下 清
報文 沖積地盤における格子状地盤改良を併用したパイルド・ラフト基礎の地震時挙動 濱田 純次・鬼丸 貞友・山下 清
連載講座 基礎設計における諸問題と解決法 第15回 静的締固め砂杭工法による基礎設計と事例紹介 大西 智晴・吉富 宏紀・武田 尚也
連載コラム 現役基礎技術者・研究者が語る私のステップアップ法 第9回 喜多 直之
インフォメーション 宅地向け静的圧入締固め工法(CPG工法)の実証実験/三信建設工業・みらい建設工業・東興ジオテック
新刊紹介 建築技術者が知りたいBuilding Foundations・藤井衛著/東海大学出版会

〈編集趣旨〉

2011年3月11日の東日本大震災から1年半以上が過ぎ,2012年が終わろうとしている。本誌では地震後1年の特別企画として,この地震からの教訓や復旧の現状などについて4号に分けて特集することとし,これまで「道路・鉄道・港湾・空港」,「国土保全」,「小規模建物と地盤液状化」について取り上げてきた。本号はこれら一連の最終企画であり,「建築物と産業施設」についてまとめたものである。
   建築物や産業施設には個別の施主(オーナー)がおり,地震による被災状況やその復旧方法については,一般にオープンにされないことが多い。本特集では,オーナーの了解のもと,これら個別の事例についても,報文として多くの事例が収集できたと考えている。一連の企画によって示された東日本大震災での被災の実態や復旧の考え方は,読者が今後,東海・東南海・南海連動型地震などの巨大地震対策を考える上で必ずや参考となるものと確信している。

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