2012年8月号特 集 2011東日本大震災の教訓と復旧-国土保全- 総括編集 毛利・菊池 両委員 |
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巻頭言 | 海岸構造物設計思想の変遷 | 首藤 伸夫 |
総説 | 土木施設の複合災害の現況と地盤工学的課題 | 風間 基樹 |
総説 | 港湾施設の地震・津波による被害と今後の課題 | 根木 貴史・下迫健一郎 |
各論 | 津波の発生・伝播・浸水 | 富田 孝史 |
各論 | 港湾施設の地震・津波による被害と復旧の現状 | 津田 修一 |
各論 | 海岸堤防の津波越流被害と復旧に向けた取組み | 諏訪 義雄 |
各論 | 海岸域の農地の被害と復旧の現状 | 北川 巌・瑞慶村知佳・若杉 晃介・原口 暢朗 |
各論 | 海岸林の津波被害と再生 | 坂本 知己 |
各論 | 河川堤防の地震・津波による被害と復旧に係る技術的検討 | 福島 雅紀・佐々木哲也・服部 敦 |
各論 | 被災地の被災状況と地域的特徴 | 糸井川栄一 |
各論 | 東日本大震災における津波対応施設の被害と多重防御のあり方 | 中林 一樹 |
各論 | 市街地の被害と高台移転 | 鈴木 英彰 |
報文 | 岩手県における海岸保全施設の被災と復旧に向けた取組み | 織茂 大樹 |
報文 | 宮城県の海岸施設の被災と復旧 | 廣野 修 |
報文 | 福島県農地海岸の被災状況と復旧 | 吉沢 誠 |
報文 | 東北地方太平洋沖地震におけるダムの挙動 | 山口 嘉一・金銅 将史・小堀 俊秀 |
報文 | 農業用ダムの被災状況と復旧 | 増川 晋・田頭 秀和・黒田清一郎・林田 洋一 |
報文 | ため池の被害と耐震診断 | 堀 俊和・毛利 栄征・上野 和広・松島 健一 |
報文 | 大口径パイプラインの被災状況と復旧 | 毛利 栄征・有吉 充 |
報文 | 漁港施設の被害の状況 | 八木 宏・中山 哲嚴 |
報文 | 宮城県北部の港湾と河川施設の被災と復旧状況 | 飛田 哲男・甲斐 誠士 |
報文 | 岩手県中南部の土構造物の被害と復旧 | 原 忠 |
報文 | 土砂災害の発生状況と特徴 | 小山内信智 |
報文 | 排水機場の被害と復旧の状況 | 菅原 修 |
連載講座 | 基礎設計における諸問題と解決法 第11回 上部構造・基礎構造一体解析における留意点-土木構造物- | 岩上 憲一 |
連載講座 | 最近の海外の長大橋基礎 最終回イタリア・メッシナ海峡大橋のアンカレッジの地盤調査と設計・施工計画 | 中村 幸男・井上 学 |
連載コラム | 現役基礎技術者・研究者が語る私のステップアップ法 第5回 | 横井 一秀 |
インフォメーション | 平成24年度先端建設技術研究開発助成募集のご案内/先端建設技術センター | |
TOPIC | 第3回パイルフォーラム技術交流会「高支持力杭根固め部の未固結試料による施工管理」を開催/パイルフォーラム |
〈編集趣旨〉
東日本大震災から1年半が経とうとしている。マグニチュード9という大地震によって,長時間の揺れによる施設被害とともに北海道から東海地方の沿岸部に至る海岸部には津波による甚大な被害が生じるなど複合災害が発生している。また,震源から200㎞以上も離れた地域においても地盤の液状化に起因する被害が顕在化するなどまさに,広域多所災害が現実のものとなって現れた。
そこで,基礎工では地震後1年の特別企画として,この地震からの教訓や復旧の現状について特集することとし,(その2)として「国土保全」をとりあげることとした。
本号では,海岸施設や河川堤防,農業用ため池などの特徴的な被害を取り上げて頂き,これまでの被害調査によって得られた知見とともに各種基準類の見直しや残されている課題,緊急応急復旧から恒久復旧への技術展開などの必要性など,広範な報告が寄せられた。
地震と津波による施設災害などに注目して,施設ごとの被災状況から復旧に至る考え方と具体的な対策技術を提示して,大規模複合災害に対峙するための視点や課題,提言についても紹介する。国土を適切に保全し社会基盤と生活を健全に維持するために,自然災害対応や技術開発は「防災技術」から「減災技術」に舵を切り始めている。本号が,それらの検討の一助となることを確信している。