2009年10月号特 集 併用基礎 総括編集 長尾・青木 両委員 |
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巻頭言 | 慣習的な基礎設計法への挑戦 | 桑原 文夫 |
総説 | 建築分野における併用基礎の利用 | 加倉井正昭 |
総説 | 土木分野における併用基礎・複合基礎の利用 | 塩井 幸武 |
各論 | 併用基礎設計上の留意点 | 内山 晴夫 |
各論 | 併用(パイルド・ラフト)基礎における相互作用 | 土屋 勉 |
各論 | 併用基礎の水平抵抗 | 眞野 英之 |
各論 | 実測から見たパイルド・ラフト基礎の鉛直荷重分担 | 山下 清 |
報文 | 既存地中構造物の直上に建つ異種基礎高層建物の設計と施工 | 篠崎 洋三・渡辺 征晃・渡邊 徹・長尾 俊昌 |
報文 | 複雑な切盛造成地盤における異種基礎-MWD検層による多地点の地盤調査結果を反映- | 瀧 正哉・友住 博明・武居幸次郎・下村 修一 |
報文 | 逆打ち杭を本設利用した超高層建物 | 佐原 守・鈴木 直子 |
報文 | 液状化地盤でのパイルド・ラフト基礎の適用事例 | 堀井 宏謙・西 正晃・大島 実穂・大西 智晴・吉富 宏紀 |
報文 | 傾斜地に建つ中層建物のパイルド・ラフト基礎の挙動 | 濱田 純次・麻生 直木・花井 厚周・山下 清 |
報文 | 既存杭上に建てられた直接基礎建物の沈下挙動 | 森高 英夫・梅本 浩一・石川 明・桂 豊 |
報文 | 埋立地盤における隣接2棟に適用したパイルド・ラフト基礎 | 佐藤 茂・森田 秀喜 |
報文 | 併用基礎を用いた沖積地盤に建つ小規模建築物の杭軸力の測定 | 前田 宗幸・元木 達也・大和 眞一・桑原 文夫 |
報文 | 鉄道橋における鋼矢板併用型直接基礎-シートパイル基礎- | 西岡 英俊・前田 友章・濱田 吉貞・山本 忠久 |
報文 | 異種基礎形式を有する連続橋梁の設計事例 | 手塚 教雄・稲垣 貴広 |
報文 | 超軟弱おぼれ谷の連続桁高架橋の耐震設計 | 山洞 晃一 |
報文 | 屋外貯蔵タンク内溶液変化に伴う杭の挙動計測 | 石松 信哉・八木 高志・吉見 寿祐・竹村 次朗 |
初級講座 | 住宅基礎地盤の失敗例に学ぶ(第28回):擁壁近傍の基礎の設計はどうするのか | 本多 典久 |
初級講座 | 「この式どうやってできたの?どう使うの?」(第1回):N値から砂地盤の内部摩擦角φ(φd )を求める | 畑中 宗憲 |
TOPIC | 日本建築学会大会(東北)でのパネルディスカッション | |
インフォメーション | 「建築基礎設計のための地盤調査計画指針」改定講習会開催のご案内/(社)日本建築学会 |
〈編集趣旨〉
同じ構造物に杭基礎と直接基礎のように異なった形式の基礎を用いることは,異種基礎と呼ばれ,建築基準法においては原則として避けるべきとされています。日本建築学会・建築基礎構造設計指針では,異種基礎にパイルド・ラフト基礎を加えた基礎形式を併用基礎と称し,基本的な設計上の考え方を示しています。
異種基礎では異なった基礎形式が併用されるために,常時の荷重による不同沈下や地震時の水平力による構造物全体のねじれなどが問題となります。また,パイルド・ラフト基礎ではその挙動を予測するため,一般に高度な解析法が必要とされています。
しかしながら,支持層が傾斜している場合や異なった支持層に基礎を支持することが合理的な場合などには異種基礎は広く用いられていますし,パイルド・ラフト基礎も着実にその適用実績を積み重ねています。最近では,逆打ち工法を採用した建物をパイルド・ラフト基礎として設計する事例も増えているようです。
本特集号では,基礎指針に倣って異種基礎とパイルド・ラフト基礎を総称して併用基礎と呼び,設計上の留意点や最近の適用事例に見る併用基礎の動向(設計・施工上の工夫)について執筆して頂きました。本号が併用基礎の採用を考えられておられる方々の参考となれば幸いです。