2009年7月号特 集 盛土の設計と締固め 総括編集 龍岡 委員長・平井 委員 |
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巻頭言 | 知識の統合と複眼的思考 | 落合 英俊 |
総説 | 盛土の締固め管理と設計の協働の必要性 | 龍岡 文夫 |
総説 | 盛土の締固めの原理と施工管理 | 建山 和由 |
各論 | 最近の盛土の締固め工法・締固め管理方法 | 藤山 哲雄 |
各論 | 最近の盛土の締固めに見る品質管理の考え方と今後の方向性 | 古屋 弘 |
各論 | 締固めた盛土材の特性を考慮した性能設計-地震時の変位と土圧の計算- | 古関 潤一 |
各論 | 砂・礫質土系盛土材の変形強度特性に及ぼす締固め度の影響 | 清田 隆・原 大地・清田 健司・望月 一宏・望月 勝紀・永井 裕之・龍岡 文夫 |
各論 | 不飽和土の力学理論から見た土の締固め | 河井 克之・金澤 伸一・飯塚 敦 |
報文 | 道路盛土・河川堤防の設計と締固め | 松尾 修 |
報文 | 高盛土の沈下挙動と地盤の性能評価技術 | 川崎 廣貴・長澤 正明 |
報文 | 高速道路盛土における締固めの設計と管理 | 横田 聖哉・中村 洋丈 |
報文 | 鉄道路盤の設計と締固め | 桃谷 尚嗣・関根 悦夫 |
報文 | セメント改良礫土の締固めと鉄道構造物への適用 | 渡辺 健治・舘山 勝 |
報文 | 埋設管の埋戻材の締固めと地盤反力係数 | 毛利 栄征 |
報文 | 米国における盛土の締固め管理 | 月本 行則 |
報文 | アルジェリア東西高速道路における特殊土と施工管理 | 相河 清実・齋藤禎二郎・谷澤 房郎・浅香 康弘・TRAN DUC PHI OANH |
報文 | フィルダムの設計と締固め | 松本 徳久・藤崎 勝利 |
報文 | 既設アースフィルダムの耐震強化工事における盛土工 | 今井 滋・星野 行宏 |
報文 | 富士山静岡空港用地造成工事における現地発生土の利用と締固め管理 | 杉山 雄二・宮本 武・梅原 裕・中村 幸生 |
報文 | 富士山静岡空港高盛土への補強土壁工法の適用と締固め管理 | 藤浪 哲也・杉本 敏彦・山下 大介・川畑 智 |
報文 | 住宅地造成工事の設計と締固め | 福島 伸二 |
報文 | 関西国際空港2期における埋立地盤の締固め | 江村 剛・坂井 彰・西村 直樹・樺沢健一郎 |
報文 | 関東ロームを中心とした高盛土の施工と品質管理 | 野本 健司・小笠原邦洋・藤原 斉郁 |
初級講座 | 住宅基礎地盤の失敗例に学ぶ(第25回):小規模建築物交通振動問題についての概要と留意点 | 近者 淳史 |
インフォメーション | 「我が家を地震と水害から守る」無料講演会開催のご案内/地盤工学会 | |
インフォメーション | 「地盤災害から人々を護る」Webラーニングプラザで公開/科学技術振興機構 |
〈編集趣旨〉
道路・鉄道・飛行場・宅地等の盛土,河川・海岸堤防,ため池・フィルダム等々,盛土は今後も無くならない。良い盛土とは地震と豪雨・洪水に対して高い耐力を持ち残留変形が小さく維持管理費が低い盛土であり,それをできるだけ低い費用で建設する必要がある。その場合の技術的課題は1)盛土の締固め,2)排水工,3)盛土構造等である。1)は地盤工学の最も古典的なテーマであるが,依然として課題が多い。それは,盛土の設計と締固め管理の分離のためである。仕様設計でのり面勾配等の盛土構造を決める場合は,この分離は著しい。安定解析をする場合でも,標準的設計せん断強度は近代的機械施工で建設した盛土のせん断強度を著しく過小評価する可能性が高い。一方,盛土建設での締固め度の許容下限値(管理値)は古い時代に経験的に決定されたものであり,今日の盛土の要求性能に対応していない。しかし,この値が一人歩きし,「この許容下限値の締固め度は非常に緩い盛土を意味しており,標準的設計せん断強度はこの緩い状態に対応すること」が良く認識されていない。このような設計・施工管理体系を,「現場でより良い盛土を建設すれば報償(設計への反映)がある体系」にする必要がある。この背景の下,本特集はこの課題の最近の動向を第一線の技術者・研究者が報告するものである。この課題に携わる技術者にとって有益な特集となっている。