2008年11月号特 集 ケーソン工法-その歴史と展望 総括編集 藤田 宏一 委員 |
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巻頭言 | ケーソン基礎の現場に地盤屋の登場を期待する | 吉田 巌 |
総説 | 構造物基礎におけるケーソン基礎の位置づけ | 塩井 幸武 |
各論 | オープンケーソン工法における施工技術の進化 | 岩沙 政治 |
各論 | ニューマチックケーソン工法における施工技術の変遷と施工実績 | 斎藤良太郎 |
報文 | オープンケーソン工法によるイギリス・タワーブリッジの基礎工事 | 五十畑 弘 |
報文 | ドームドケーソン工法を用いたアメリカ・サンフランシスコ・オークランド・ベイ橋の基礎工事 | 河口 浩二 |
報文 | 初期のオープンケーソン基礎に支えられた東海道本線六郷川橋梁 | 神谷 弘志 |
報文 | オープンケーソン工法による錦帯橋基礎の改修工事 | 岡崎 賢治 |
報文 | PCウェル工法による内空利用構造物と施工事例 | 濱田 良幸・荒井 幸夫 |
報文 | 寺畑前川調節池SOCS工法による大口径立坑の施工 | 前田 知就・宮嶋 均・大里 秀俊 |
報文 | 19世紀最大規模のニューマチックケーソン基礎を持つアメリカ・ブルックリン橋 | 福永 勧 |
報文 | ニューマチックケーソン工法を用いたイギリス・フォース鉄道橋基礎工事 | 五十畑 弘 |
報文 | 新潟地震を耐え抜いた重要文化財・萬代橋 | 石田 孝志 |
報文 | 大阪・地下鉄トンネルに初めて本格的に用いられた潜函工法を振返って | 吉田 博・尾矢 謙吾 |
報文 | New DREAM工法を用いた立坑工事例 | 上月 直昭・佐藤 元治・井上 武・南 宜郎 |
報文 | ROVOケーソン工法を用いた道路トンネル用シールド発進立坑工事 | 小滝 勝美 |
報文 | 豊洲大橋下部工の施工とSIニューマ | 山内 浩・小沢 明博・近藤 俊宏 |
参考資料 | 『基礎工』バックナンバーVol.1・No.1(1973.6)~Vol.36・No.10(2008.10) | |
に見るケーソン関連文献一覧 | 藤田 宏一 | |
初級講座 | 住宅基礎地盤の失敗例に学ぶ(第17回):戸建て住宅の基礎と | |
地盤補強工法についての概説と留意点 | 橋本 光則 |
〈編集趣旨〉
構造物基礎を建設する技術の一つであるケーソン工法は,その施工方法からオープンケーソン工法とニューマチックケーソン工法に分類される。
ケーソン工法のうち,オープンケーソン工法は,井戸堀り技術から進展しており,その原型は紀元前10世紀に見られる。
わが国で記録に残っている東海道線六郷川橋梁の基礎は初期のオープンケーソン基礎である。イギリス人技術者の指導のもと,イギリスの施工機械を導入して建設されている。
ニューマチックケーソン工法は,コンブレッサの発明,エアロックの発明によって本格的に用いられるようになった。わが国でニューマチックケーソン工法が本格的に用いられたのは,1923年の関東大震災復興事業においてであり,資機材,施工技術の一切をアメリカから導入し,技術習得を図った。
ここでは,2種類のケーソン工法について,初期の頃の施工技術を事例も交えて紹介するとともに,その後の技術進展の結果として現在に至った最新の施工技術を用いた事例をも紹介する。
なお「設置ケーソン工法」と呼ばれる施工方法は,前述の2工法と施工方法が大きく異なるので,本特集号では取り扱わないこととした。